AKB48「恋するフォーチュンクッキー」が音楽配信で2年近く売れ続けた大ヒットの軌跡

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2015年の8月、HKT48の指原莉乃がセンターを務める、AKB48の最新シングル「ハロウィン・ナイト」が発売される。そこで思い出されるのが、2年前に指原莉乃がセンターを務めて記録的な大ヒットとなった「恋するフォーチュンクッキー」である。

「恋するフォーチュンクッキー」は、CDシングルでミリオンセラーを記録し、さらには音楽配信でもミリオンセラーを記録した。文句のつけようがないヒットを記録した「恋するフォーチュンクッキー」だが、音楽配信でミリオンセラーに辿り着くまでは長い月日を費やしており、その間どのようなヒットを辿ったのかはあまり知られていない。そこで、独自に集計しているオリジナルiTunes週間トップソングの順位と指数を使って、この作品がiTunesの配信でどんな売れ方をしていたのか、改めて振り返ってみよう。

 

■ 2度の10週連続トップ10入りを記録し、発売から1年3ヶ月間トップ100入り

AKB48「恋するフォーチュンクッキー」順位

オリジナルiTunes週間トップソングでは、iTunesにおける楽曲の売れ行きを独自に指数化し、毎週、ランキングを発表している。詳しくはこちらの資料を参照して欲しい。

「恋するフォーチュンクッキー」がこのランキングで200位圏内にランクインした、2013年8月から2015年4月までの間の順位をグラフ化したものが、上記の図になる。まずは発売からの最初期であるが、初登場から2週目で初の1位を獲得すると、そこから4週連続で1位を獲得する。これだけでも、AKB48の楽曲としては非常に高動向である。さらに、発売から11週連続でトップ10入り。一度トップ10から落ちるが、3週後にトップ10に返り咲くと、そこからまた10週連続トップ10入りした。言い換えると、前述の期間だけで半年近くを占め、期間中の殆どがトップ10入りという、驚異的なロングセラーになったのである。

さらに驚くべきはその後の推移であり、グラフを見ても分かるように2013年8月の発売にもかかわらず、翌2014年11月までトップ100入りしていた。もちろん、iTunesでは握手券は付属しない。純粋に楽曲に対する支持だけで、ここまでのロングセラーとなったのである。

次に指数の推移を見て行こう。指数を見れば、どのくらいの規模でヒットしたかが一目で分かる。ちなみに30万pt以上で年に数作、40万pt以上は年に1作出るか出ないかという規模のヒットであり、50万ptを超えると実売でも70〜100万ダウンロードという大ヒットが期待される水準になる。

AKB48「恋するフォーチュンクッキー」指数

「恋するフォーチュンクッキー」は、発売から約半年後の2014年2月には、累積50万ptまで到達している。最新の2015年8月の時点では、累積で約57万ptまで達しており、日本レコード協会は2015年3月に今作をミリオンセラーに認定している。

順位・指数の両方から見ると、音楽配信における「恋するフォーチュンクッキー」が、初期にいかにハイペースで売れ、中期以降いかに粘っていたかが分かる。初期の指数の伸びを見ていくと、3週目で10万ptを突破し、6週目で20万ptを突破しているが、このような推移は、常に上位にいないと成し得ないものである。その後、指数の伸びは2014年の2月頃になると鈍化している。このことから、発売直後から約半年の間、特に飛ぶように売れていたことが分かるだろう。そして、その後の小刻みな推移からも分かるように、長期に渡り「じわ売れ」が続いてたことも分かる。

なお、この曲以降に発売されたAKB48の楽曲は、どの曲も数週で200位圏外となり、指数も10万ptにすら届かない。新曲が出ても、「恋するフォーチュンクッキー」はその新曲以上に粘って、売れ続けていたのである。

 

■ 「ハロウィン・ナイト」で恋チュンの再現なるか?

そんな大ヒットを記録した「恋するフォーチュンクッキー」と同じく、指原莉乃がセンターを務める作品が、今月発売される「ハロウィン・ナイト」である。果たして、2年前の再現となり、再び大ヒット作品が誕生するのだろうか。8月後半のチャートでは、「ハロウィン・ナイト」によるAKB48の復活劇があるかどうかに、要注目と言えそうだ。

 

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13/08/26付 オリジナルiTunes週間トップソング50 (当サイトで発表している「オリジナルiTunes週間トップソング」では、この週から初登場した。ぜひここからヒットの軌跡を辿ってみて欲しい。)


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