再評価されるCMと音楽の関係…安室奈美恵&バンプ、ドコモ音楽配信CM効果で再ヒットの兆し!

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8月に入り、安室奈美恵の「Love Story」と、BUMP OF CHICKEN「天体観測」の2作品が、iTunes配信チャートを駆け上がり始めている。
両作品の共通点は、NTTドコモのスマートフォン向け音楽配信サービス「dヒッツ」のCMソングに起用されていること。NTTドコモを始めとした携帯電話各社のCMは、視聴者からの好感度が高いことで知られる。このCMタイアップの効果が、楽曲のリバイバルヒットを呼んでいるようだ。

安室奈美恵「Love Story」とBUMP OF CHICKEN「天体観測」の
iTunes配信チャート順位推移
(2013/7-8)
21

■ CMがもたらしたリバイバルヒット
   両作品のチャート推移は7月中旬から下旬にかけて、どちらかといえば右肩下がりの傾向にあったが、8月に入ると反転し、右肩上がりの推移を見せている。安室奈美恵「Love Story」は7月末に200位台まで下がっていたが、8月に入ると急上昇し、20位以内が多くなっている。BUMP OF CHICKEN「天体観測」も、ベスト盤発売効果が落ち着いて170~180位まで落ちていたが、8月に入るとトップ50に戻っている。

   この2作品に共通するのは、NTTドコモのスマートフォン向け音楽配信サービス「dヒッツ」のCMソングに起用されたことである。「dヒッツ」は、約100万曲の中からセレクトされた楽曲をラジオのように配信する定額制サービスで、昨年7月にスタート。今回のCMの『涙』編に「Love Story」が、『夏の想い出』編に「天体観測」が起用された。
   このCMは8月1日からOAされており、2作品が浮上したタイミングと合致する。CMの効果がリバイバルヒットを呼んだのは間違いないだろう。

■ CMと音楽の関係に再評価の動き
   近年、中島みゆき「ファイト!」(大塚製薬「カロリーメイト」CMソング)のように、CMの放映直後にDL数を伸ばす楽曲が増えており、CMのタイアップ効果と楽曲の売上推移の関係が再評価され始めている。CDシングルの場合、CMが一回流れた程度で売上には大した影響がないが、音楽配信では放映直後から順位が上がるため、効果てきめんとされる。音楽配信時代において、CMの重要度は決して小さくない。

  
また、NTTドコモなど、携帯電話各社のCMは、視聴者からの好感度が高い銘柄とされる。CM総合研究所調べの「2013年上半期銘柄別CM好感度トップ20」では、NTTドコモが3位にランクイン。ちなみに1位はソフトバンクモバイル、2位はKDDIであり、携帯電話各社のCM好感度が高いことが分かる。
   このことから、携帯電話各社のCMタイアップによる売上アップの効果が、他業種のCMに比べて大きいのは間違いないだろう。実際、KDDI(au)のCMに起用された、きゃりーぱみゅぱみゅ「にんじゃりばんばん」の大ヒットは周知の通りである。今回の安室奈美恵とBUMP OF CHICKENのチャート推移を見ても、CMによる売上アップが大きいことは明らかと言える。

■ この手のCMは、バランスの難しさも…
   ただし今回の事例の場合、NTTドコモの音楽配信サービスの宣伝なのに、iTunes Storeで楽曲の売れ行きがアップしており、それではあまり意味がない。他のCM(自動車、携帯電話そのもの etc…)ならば気にすることはないと思われるが、商品(dヒッツ)の売上も高めつつ、dヒッツ内の楽曲の売上も同時に高めるには、楽曲が全面に出すぎてもいけない。バランスが重要と言えそうだ。

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2013年CM好感度ランキング (From CM総合研究所)


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