人間の脳波状態に基づく楽曲推薦を実現する新しいGeniusアーキテクチャが開発される

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Face Down(初回限定盤)(DVD付)現在の音楽配信サービスでは、過去に購入した履歴やプレイリストの内容を分析し、「おそらくユーザの好みであろう楽曲」をピックアップして、トップ画面に「おすすめ」として推薦するシステムが確立されている。Appleの「Genius」はまさにそれである。
最新の研究では、このような楽曲推薦システムはさらに進化を遂げた。人間の脳波をもとにした、より正確な楽曲推薦を実現するアーキテクチャが開発され、将来のiTunesなどに組み込まれる予定だという。



■ ヘッドホンを通じて脳波を測定→脳波状態に基づいてユーザに楽曲推薦
   このプロジェクトは、米国の大手音楽企業5社と家電メーカー6社が共同で取り組んでいるもので、(1)人間と音楽の出会いのミスマッチを減らすこと、(2)人間が心地良いと感じる音楽を探すための探索時間を減らすことを目的としている。この仕組みを実現するために、家電メーカーは「脳波センサー付きヘッドホン」(仮)を開発し、今夏にも販売予定という。

   まず、ユーザから脳波情報を収集する仕組みは次のようになる。まず、ユーザは脳波センサー付きのヘッドホンを通じて音楽を聴く。この時、システムは楽曲の再生と同時に、ユーザに対してある特定の周波数の音波を伝える。この音波に対してユーザの脳が何らかの反応を示すため、ヘッドホンに装着された高精度のセンサーがその時の脳波を読み取り、脳波と楽曲の情報をセットにしてシステムに送信する。このやり取りが繰り返されることで、ユーザが再生した楽曲に対して、その時の脳波がどのような状態だったかという情報がシステムに蓄積されていく。

   そして、脳波状態に応じてユーザに楽曲を推薦する仕組みは次のようになる。これは至って簡単である。まず、脳波センサー付きのヘッドホンから人間の脳波を読み取ってシステムに送信する。次に、システムはその脳波を分析し、システムが蓄積している情報を参考にして、ユーザに楽曲推薦する。

■ 嘘偽りのない検索キー 「脳波」
   脳波とはごまかしが効かないものである。その脳波を利用した楽曲推薦というのは、人間の現在のリアルな感情に対して、システムがピンポイントで訴えかけるものである。これまで、キーワードやプレイリストを参考にして様々な楽曲推薦の仕組み(iTunesのGenius、Amazonの「この商品を買った人は~」など)が開発されてきたが、今度のシステムでは、よりリアルな結果が得られるようになるだろう。

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