AKB48と、インターネット上でユーザ同士が情報交換を行うSNS(ソーシャル・ネットワーキング・サービス)の一つである “セレンド” がタッグを組んで、キャンペーンを行うことが分かった。
セレンドは、「AKB48を母校に呼べる」ことを特典に、SNSのユーザ数獲得を目指すと見られる。 “AKB商法” が外部のサービスに本格的に応用されるのは初と見られ、キャンペーンの効果に注目が集まりそうだ。
■ 登録者を集めれば「AKB48に会える」
このキャンペーンは、同級生との交流をコンセプトにするSNS「セレンド」内で、期間内に学校対抗形式で登録者数を競い合い、最も登録者を集めた “優勝校” に、AKB48によるスペシャルライブ、AKB48が歌ったその学校の校歌を収録したCDなど、様々な特典がプレゼントされるものである。期間中には、途中経過を知らせる中間発表イベント、AKB48による企画が行われる。
このキャンペーンの目的は、セレンドが「AKB48に会える」ことを特典に設定し、SNSの新規ユーザを増やすことであると考えられる。
■ 「内需拡大」を成功させた「AKB商法」を外部のサービスに応用
「AKB48に会える」「AKB48と握手できる」など、AKB48のメンバーとの直接的な接触を可能にするチケットを特典にして、商品の複数購入を促して売上を伸ばす手法は、近年「AKB商法」と呼ばれ、賛否両論を呼びながら話題となっている。
AKB商法は、ただ単にCDの売上枚数を底上げするだけにとどまらず、徐々にユニークなファン数を拡大させてきた。2009年秋頃からAKB48のシングルの売上は急速に伸び、2010年に発売された「Beginner」ではついに100万枚を突破した。
しかし、従来のAKB商法の影響範囲は、「AKB48に直接関連する範囲」にとどまっていた。例えば「AKB48のシングル」「AKB48のアルバム」など、AKB48名義の商品の売上を伸ばすために利用されてきた。言い換えると、AKB48と直接関係がない商品に対して、「会える」「握手できる」を特典としたAKB商法が適用され、大きな成果を上げた例は存在しない。
今回のセレンドは、「AKB48に会える」ことを特典として、SNSのユニークユーザ数を伸ばすことを目的にしているようだ。参加には特に費用が発生しないため、知人にSNSへの参加を呼びかける人もいれば、一人で複数のアカウントを取得する人も現れそうだ。すなわち、AKB商法がAKB48名義ではない他のサービスに適用される、極めて珍しい例と言える。
ただし唯一異なるのは、ユーザの利益の不確実性が大きいことである。SNSに登録したからと言って、必ずしもAKB48に会えるとは限らない。AKB48に会うためには、ユーザ自身の母校が登録者数で一番にならなければならない。
このようなAKB商法の応用が、セレンドのユニークユーザの大きな増加に繋がった場合、今後AKB48とタイアップを組むサービスが次々に登場する可能性がある。様々な商品・サービスの需要の拡大を目的とした、AKB商法の応用事例が増えそうだ。
関連サイト
・優勝特典はＡＫＢ４８ライブ 学校対抗でＳＮＳ会員集め (From 朝日新聞)
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AKB48
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