4/30付オリコンシングルデイリーランキングでは、福岡発の女性アイドルグループ・HRのデビューシングル「キミにSPARK」(5/2発売)が初登場8位を記録した。デビューシングルでデイリー初登場8位に入ったのは、かなりの好成績と言える。
しかし、実はその好成績の裏にはカラクリがあった。この作品の発売形態は前代未聞の複数種展開であり、なんと34種類のパッケージが用意されている。1種類あたりの売上は、およそ20～30枚と推定される。
■ 福岡を拠点に活動する女性アイドルグループ
HRは、福岡を拠点に活動する女性アイドルグループであり、グループ名は「福岡をreboot(再起動)する」という意味から名付けられた。福岡に専用の劇場を持っており、「公演」を行うなど、AKB48に似た活動形態を取っている。その「公演」では、HRのオリジナル曲だけでなく、AKB48やハロプロ、Perfumeなどの楽曲も披露している。
↑ セットリストの中には他のアイドルグループの作品も混じる
■ 異例の34種リリース
地方のアイドルグループの、なおかつデビューシングルで初日からデイリートップ10入りというのは、かなりの好成績と言える。
しかし、それだけの好成績をマークするからには、その理由も存在する。実は、今回のHRのシングルは合計で34種類のパッケージがリリースされている。具体的には、Type-A～C(CDHR-1031～1033)、Type-D(CDHR-1034)、個人別ジャケット仕様(CDHR-1001～1030)であり、これらを合わせて34種となる。
↑ 合計34種類のパッケージがリリース(画像はその一部)
ここ数日のオリコンデイリーランキングの売上レベルを考えると、8～10位の売上はおよそ800～1000枚と推定される。推定通りなら、1種類あたり20～30枚ほどの売上枚数でランクインしたことになる。
■ 10種以上のリリースで上位入りを目指す例が続出
近年、メンバー個人別パッケージなど、合計10種類以上のパッケージをリリースしてオリコン上位入りを狙うパターンが増えてきている。
例えば、2009年リリースのAAA/西風雲 「Break Down/Break your name/Summer Revolution」(オリコン最高3位)は14種リリースだった。また、昨年の女性アイドルグループ・ぱすぽ☆「ViVi夏」(同最高3位)は12種リリース。韓国の俳優イ・スンギの今年3月発売のシングル「恋愛時代」(同最高9位)、2010年のチームドラゴン from AKB48「心の羽根」(同最高1位)は11種リリースだった。最近では、オリコンデイリーランキングの売上レベルが下がっていることもあり、特にボーダーの枚数が下がりやすい月曜付で上位入りを狙うパターンも増えてきている。
今後も、このような複数種リリースを展開した無名に近いアーティストが、いきなりオリコンデイリーランキングの上位にランクインする事例が続発すると予想される。
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関連サイト
・HR OFFICIAL WEB SITE (公式サイト)
