「MUSIC CARD実質0円バラマキ商法」CDシングルの売上枚数を簡単に2倍にする方法が発見される

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Sky's The Limit最新のオリコンデイリーランキングでは、V6の新曲「Sky’s The Limit」で行われている商法が注目を集めている。

V6の今作では、MUSIC CARD、CD+DVD盤、CD+DVD+MUSIC CARD盤が販売されている。一見何事もないように見えるこの商法が、オリコンランキングのCDシングルの売上枚数を爆発的に伸ばす仕掛けになっているのではないかとの疑惑が浮上している。

 

■ 初回限定生産盤A・BとMUSIC CARDが鍵
 どのような仕掛けで売上枚数が伸びるのだろうか。まずはこの話の前提となる、オリコンで売上枚数としてカウントされるシングルの盤種を見て行こう。オリコンでは、V6の今作について次の盤種を集計対象としている。

AQZD-76724・・・MUSIC CARD
AVCD-83140/B/C ・・・初回限定生産盤A
AVCD-83141/B ・・・初回限定生産盤B
AVCD-83142 ・・・通常盤
AVCD-83143/B ・・・DVD付

 このうち、ここで取り上げる仕掛けに関連しているのは、MUSIC CARD、初回限定生産盤A、初回限定生産盤Bである。実はこの3種のうちの初回限定生産盤Aを購入すると、オリコンで2枚分の売上がカウントされるのではないかとの疑惑が浮上しているのである。

 

■ 初回限定生産盤Aを買うと2枚カウント?
 この疑惑の理由は単純である。初回限定生産盤Aとは、一番最初に取り上げた「CD+DVD+MUSIC CARD盤」で、初回限定生産盤Bが「CD+DVD盤」である。この2つのパッケージを比較すると、初回限定生産盤Aには、オリコンがカウント対象とした盤種が2つ含まれていることが分かる。そのため、初回限定生産盤Aを買うとオリコンで2枚分カウントされるのではないかとの疑いが持たれているのである。

 上記だけならまだ、えげつなさは軽めに見える。これまでもCDシングルとCDアルバムをセット売りして、シングル・アルバムの両チャートに同じだけの売上枚数をカウントさせる商法などが存在したため、セット売りは真新しいことではない。
 ところが、今回のV6のシングルでは少々毛色が違うことが行われている。なんと、上記の初回限定生産盤Aと初回限定生産盤Bは同価格で販売されているのである。CD+DVDと、CD+DVD+MUSIC CARDの価格が同じということは、後者を買うとMUSIC CARDが0円で付属すると捉えることができる。言い換えると、初回限定生産盤Aの購入者にはMUSIC CARDを実質0円でバラまいていることになる。携帯電話等の通信会社が行っている手法に近いことが行われているのである。

 以下の画像を見て頂きたい。初回限定生産盤Aと初回限定生産盤Bの値段は同じである。このように並べられてAかBかを選べと言われたら、Aの方を手にしてもおかしくない。(実際はAとBのDVDの収録内容が異なるのだが、価格と同梱物の内訳だけ比較すると見た目はAの方が得に見えるため。)

 

■ MUSIC CARDを0円バラマキ・・・仕掛けを構成する3要素
 この仕掛けの肝は次の3点である。

(1) MUSIC CARDがオリコンでシングルの売上枚数としてカウントされること
(2) 初回限定生産盤A(CD+DVD+MUSIC CARD)と初回限定生産盤B(CD+DVD)の価格が同じであること
(3) MUSIC CARDだけを買う選択肢がちゃんと用意されていること

 上記の(1)〜(3)が全て満たされることによって、今回の仕掛けが成り立っていると推測される。具体的に説明していこう。

 まず、前提として(1)があるため、MUSIC CARDの売上枚数はオリコンの集計対象である。1枚MUSIC CARDが売れるごとに、CDシングル1枚の売上枚数としてカウントされる。この前提で(2)の価格設定をすれば、多くのユーザに対し、ごく自然に初回限定生産盤Aの購入を促し、2枚同時に売ることができる。しかし、(1)(2)だけだと外から複数購入を強制しているかのように映るため、あまりにもイメージが悪い。そこで、(3)の選択肢が必要となってくる。(3)の選択肢があることで「あくまでMUSIC CARDだけを買うこともできるが、ユーザは自らの意志で初回限定生産盤Aを選んだ」というロジックが出来上がるため、仮にオリコンや外部から何か言われた時の理由付けになるためである。

 

■ もしAKB48がこの商法を採用したら恐ろしいことに
 この仕掛けで販売された初回限定生産盤Aが2枚カウントになっているとすれば、他のアーティストも同じようにこの仕掛けを応用し、CDシングルの売上枚数を伸ばすことが可能である。ユーザに負担をかけず(負担をかけないように見せかけつつ)売上枚数を2倍にすることができるこの商法は、これまでのどの商法よりもえげつないと言えるだろう。

 例えば、AKB48がこの商法を採用した時のことを想像してみよう。すぐにその恐ろしさが分かるはずである。個別握手会の参加券が付属する劇場盤に必ずMUSIC CARDが付属することになれば、売上枚数は単純に2倍となるのである。200万枚どころか300万枚も余裕で達成できるだろう。

 様々な特典商法が横行するCDシングル市場。そのCDシングル市場は、もはや「オリコンランキングの攻略」を目指したゲームと化しているようだ。

 

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