2015年の音楽シーン振り返り 今年のヒット曲総まとめ

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2015年も間もなく終わろうとしている。各種メディアでは2015年の総まとめモードに入っており、今年のヒット商品や流行語などの発表が賑わっている。そこで当サイトでも、2015年の音楽シーンを、CD・配信の音楽チャートを中心に振り返ってみたい。

「ヒット曲なんてない」と言われ続けている2015年であるが、今年はCDに加えて、音楽配信の動向を指標として音楽シーンを読むことが定着した1年であった。確かにCDランキングだけを見た人からは、次々に音楽シーンを憂う声が飛び交ってしまっているが、今年は音楽配信を中心に、世の中の話題を反映した様々なヒットが生まれており、当サイトではそんなヒットの動向を1年間追い続けてきた。そんな2015年の音楽シーンを、1月ごとに振り返り、今年のヒットを見なおしてみよう。

 

2014年12月

2015年度の音楽シーンは、前年度末からヒットを続けていたシェネル「Happiness」の快進撃で幕を開けた。ドラマ「ディア・シスター」の主題歌として注目された「Happiness」はiTunesで1位独走を続け、前年度末から8週連続でチャート1位を記録し、ドラマ主題歌としてこの冬最大のヒットを記録した。

「レコード大賞」「NHK紅白歌合戦」で注目されたのは、SEKAI NO OWARI「Dragon Night」と、三代目 J Soul Brothers from EXILE TRIBEの「R.Y.U.S.E.I.」であった。この2作品は、この時に上がった勢いのまましばらく売れ続け、後に2015年度のiTunes年間トップソング1位・2位を獲得する。

「Dragon Night」は、トランシーバーを持って歌う歌唱スタイルと、楽曲の略称である「ドラゲナイ」が広く浸透し、動画サイトでも関連動画が大量に投稿され、話題を呼んだ。「R.Y.U.S.E.I.」は、ランニングマンと呼ばれるダンスの振付が、中高生を中心に大ブームとなった。

 

2015年1月

1月前半の音楽シーンは、レコ大効果&紅白効果で盛り上がり、「Dragon Night」と「R.Y.U.S.E.I.」のヒットが続いたが、中旬になり、back numberの「ヒロイン」と、お笑いコンビ・クマムシの「あったかいんだからぁ♪」が登場すると、その雰囲気がガラリと変わった。

「ヒロイン」は、人気女優の広瀬すずが出演するJRのCMソングで大きな注目を集め、iTunesで大きなヒットを記録。「あったかいんだからぁ♪」は、ネタの雰囲気に似合わない名曲っぽさが大受けし、子供から大人まで幅広く支持された。

【オンライン共通特典付(先着購入特典)】有頂天 (初回限定盤)WAKE ME TONIGHTこの他、ドラマ「学校のカイダン」主題歌に起用された、B’zの「有頂天」がCDシングルでヒットを記録した。また、KAT-TUN「Dead Or Alive」とJYJ「WAKE ME TONIGHT」によるオリコンCDシングルランキングの1位争いが盛り上がり、ネット上では両ユニットのファンによる応援合戦が白熱した。

 

2月

初旬に発売されたChayの「あなたに恋をしてみました」が、ドラマ「デート~恋とはどんなものかしら~」の主題歌に起用され、自身最大のヒットを記録した。「あなたに恋をしてみました」は3月中旬までヒットを続ける話題作となった。

また、アニメ「艦隊これくしょん」のOPテーマに起用されたAKINO from bless4の「海色」と、EDテーマに起用された西沢幸奏の「吹雪」がともにヒットし、iTunesで1位・2位を独占した。この2作品はCDシングルでも売れ、アニメ人気を象徴する現象となった。

Sakura 【初回限定盤】(DVD付)CDシングルでは、ドラマ主題歌に起用された嵐の「Sakura」がヒットした。既に「サクラ咲ケ」という楽曲を持つ嵐による新たな桜ソングは、ファンを中心に浸透した。

 

3月

GReeeeNと、その妹分ユニット・whiteeeenが立て続けにiTunesでチャート1位を記録し、注目された。whiteeeenはGReeeeNに続いて覆面ユニットとしてデビューし、3月に発売した「愛唄~since 2007~」は、福士蒼汰と有村架純が出演した映画「ストロボ・エッジ」の主題歌として話題を呼び、ヒットを記録した。

ベテラン組の活躍も目立った1ヶ月であった。サザンオールスターズの9年半ぶりのオリジナルアルバム「葡萄」がヒット。収録曲の「イヤな事だらけの世の中で」「アロエ」は、iTunesで好成績を収めた。さらに、福山雅治が発売した配信限定シングル「何度でも花が咲くように私を生きよう」がiTunesにおいて2週連続で1位を独走し、変わらぬ人気の大きさを示した。

命は美しい(Type-A)(DVD付)女性アイドルからは、乃木坂46の「命は美しい」がCD・配信の両方で好成績となった。逆にAKB48「Green Flash」の配信における順位が上がらなかったことから、乃木坂46の勢いがAKB48を上回っていないかと注目され始めたのが、この時期である。

 

4月

コケティッシュ渋滞中 (初回生産限定) (Type-A) (CD+DVD)Don't look back! (限定盤Type-A) (Amazon限定オリジナル特典なし)オリコンランキングでMUSIC CARDの集計が終了した。また、初旬はCDシングル市場における「SKE48 vs NMB48」の対決が大きな話題を集めた。この対決では、SKE48の「コケティッシュ渋滞中」がMUSIC CARDと個別握手券付き劇場盤CDのセット販売を実施。1握手券に対し2枚を数え、累積で70万枚を超える売上枚数を記録して勝利を収めた。

また、前年に「猟奇的なキスを私にして」がスマッシュヒットを記録した、ゲスの極み乙女。が「私以外私じゃないの」で大ブレイクし、iTunesにおける1位独走が続いた。「私以外私じゃないの」はコカコーラのCMソングに起用され広く浸透し、2週連続でチャート1位を記録。その後もロングセラーとなり、6月頃まで売れ続けて話題の中心となった。

 

5月

女性アーティストの活躍が目立つ1ヶ月となった。発売前から軽快なメロディとPVが話題を集めた、西野カナの「もしも運命の人がいるのなら」が発売直後からiTunesでチャート1位を独走。「もしも運命の人がいるのなら」は3週連続で1位独走を続け「Darling」に続く大ヒットを記録した。さらには、ドラマ主題歌として注目されたSuperflyの「Beautiful」がヒットを記録した。

洋楽作品からは、映画「ワイルド・スピード SKY MISSION」の主題歌として話題を集めた、ウィズ・カリファ「See You Again (feat. Charlie Puth)」がヒットし、洋楽作品から今年初のヒット作品が誕生した。

僕たちは戦わない Type A【初回限定盤】また、CDシングルでは嵐の「青空の下、キミのとなり」が、Superflyと同じくドラマ主題歌に起用されてヒットを記録した。さらに、毎年恒例の選抜総選挙の投票券付きCDとなった、AKB48の「僕たちは戦わない」が、発売初週に167万枚を売り上げ、20作連続のミリオンセラーを達成した。

 

6月

アニメ「血界戦線」の主題歌として大ブームを起こした、UNISON SQUARE GARDEN「シュガーソングとビターステップ」が月初からiTunesを中心に大ヒットを記録した。「シュガーソングとビターステップ」はiTunesで2週にわたって1位を独走し、UNISON SQUARE GARDENにとって自身最大のヒット曲となり、同バンドの大ブレイクを印象づける作品となった。

UNISON SQUARE GARDENのヒットと並行し、ゲスの極み乙女。の新作「ロマンスがありあまる」がヒットして注目された。ゲスの極み乙女。が「ロマンスがありあまる」を発売したこの時期は、まだ前作「私以外私じゃないの」がヒットしている最中であり、さらに追加でヒットを起こしたことで、6月後半の話題の中心に君臨することとなった。

また、ドラマ主題歌に起用された星野源の「SUN」がiTunesで1位を獲得し、その後もロングセラーとなった。
ゲスの極み乙女。と星野源は、この時期に大ブレイクの印象を残し、後に年末の「NHK紅白歌合戦」出場を獲得することになる。

 

7月

アニメ「ラブライブ!」の3週連続リリースが話題を呼び、7月前半は「ラブライブ!」が音楽シーンの話題の中心となった。3週連続リリースの3作品は、CDシングルだけでなくiTunesでも立て続けに上位入り。「ラブライブ!」旋風が従来のアニメファンの垣根を超えて吹き始めたことを印象づける結果となった。

また、三代目 J Soul Brothersがアフロジャックとコラボした話題作「Summer Madness」がiTunesでチャート1位を獲得し、2週に渡って1位を独走。この時期になっても「R.Y.U.S.E.I.」のヒットが続いていた三代目 J Soul Brothersにとって、新たな代表曲の誕生を予感させるチャートアクションとなった。

定額音楽配信サービスのスタートが話題となったこの時期は、LINE MUSICのCMに起用されたカーリー・レイ・ジェプセンの「I Really Like You」が大ブレイク。発売から21週目にしてiTunesのチャート1位を射止め、夏中売れ続けてロングセラーとなった。

また、ゲスの極み乙女。に代わってコカコーラのCMソングに起用された、椎名林檎の「長く短い祭」がiTunesでチャート1位を獲得するヒットを記録し、こちらも8月末まで売れ続けて話題の中心を形成した。

 

8月

前半は、昨年発売されたテイラー・スウィフトの「Shake It Off」が「家庭教師のトライ」CMソングに起用されて再注目され、月初からiTunesでチャート上位にランクインし続けた。カーリー・レイ・ジェプセンとともにヒットし、洋楽勢による上位占拠の傾向が目立った。

8月の後半は、ドラマ主題歌に起用され話題を集めた家入レオの「君がくれた夏」と、ハジ→とのコラボレーションで別れの思いを歌ったmiwaの「夜空。feat.ハジ→」がiTunesでヒットし、この2作品が連日チャートの上位を争った。この2作品は9月の後半までヒットを続け、注目された。

I am a HERO(初回限定 Music Clips DVD付 盤)ハロウィン・ナイト Type A 【通常盤】CDシングルでは、福山雅治の「I am a HERO」がヒットを記録。また、6月のAKB48選抜総選挙で1位を獲得した指原莉乃をセンターに据えた「ハロウィン・ナイト」がCD・配信の両方で注目された。

 

9月

1年前に発売された秦基博の「ひまわりの約束」が、タイアップ映画の「STAND BY ME ドラえもん」が地上波放送されたことをきっかけに、iTunesのチャートを急上昇した。この頃の再ヒットで勢いを取り戻した「ひまわりの約束」は、その後、iTunesの年間トップソングで、なんと2年連続のトップ10入りを記録する。

初旬に発売された西野カナの「トリセツ」が瞬く間に音楽シーンの話題の中心となり、iTunesで5週にわたって1位を独走した。この作品への支持は絶大なものとなり、夏の終わりを迎え、秋が訪れ、そして深まるまでの間、西野カナの天下はずっと続き、誰が挑んでも西野カナの天下は揺るがなかった。

また、9月28日に福山雅治が女優の吹石一恵と結婚したことを受け、「家族になろうよ」などの福山雅治の楽曲がiTunesのチャートを駆け上がった。福山雅治の結婚によってファンの間で衝撃が走り、ショックで立ち直れないファンが続出する様子が「福山ロス」「ましゃロス」と呼ばれ、話題となった。

CDシングルでは嵐の新曲「愛を叫べ」が発売され、ヒットを記録。今年3作目のヒット作誕生となった。

 

10月

前月からiTunesの1位を独走し続ける西野カナの「トリセツ」が、前半から中盤にかけて話題の中心に居続けた。西野カナの独走を誰も止められず、また西野カナに代わって話題になるヒット曲も現れない状態が続いた。
10月前半のチャートで西野カナに次ぐ勢いを見せたのが、サカナクションの「新宝島」であり、映画「バクマン。」とともに話題となり、久々のヒットを記録した。

音楽シーンの話題の中心を変えたのは、三代目 J Soul Brothersの派生ユニット・THE Sharehappiによる「Share The Love」であった。ポッキーのCMソングで瞬く間に話題になった今作は、中毒性のあるサウンドに加えて、シェアハピダンスと呼ばれる、腕など上半身を使った振り付けが中高生を中心に大ブレイクし、ランニングマンに続くブームを引き起こした。このシェアハピブームは「ポッキーの日」を迎える11月前半までの間に一気に広まり、iTunesでは4週に渡って1位を独走し、西野カナに続いて長期政権を築いた。

 

11月

前半は前述のシェアハピブームが音楽シーンの中心となり、THE Sharehappi「Share The Love」のヒットが続いた。シェアハピの勢いには届かなかったものの、同じLDHの先輩であるEXILEの「Ki・mi・ni・mu・chu」がヒット。「サントリー・ザ・モルツ」のCMソングで注目を集めた。

中旬以降は、シェアハピに代わって、ドラマ主題歌の2作品が音楽シーンの中心となった。
back numberの「クリスマスソング」は3週に渡って1位を独走し、今もなお売れ続けている。back numberは、1月の「ヒロイン」のヒットに続き、冬に強い印象を残しつつ、大ブレイクの年を締めくくろうとしている。

また、西野カナの「No.1」が「もしも運命の人がいるのなら」「トリセツ」に続いてiTunesでチャート上位入りを記録し、今年3作目のヒットを記録した。西野カナの “出せば上位” の傾向はここ数年続いており、来年も引き続きチャート上位を賑わせそうである。

今、話したい誰かがいる(Type-A)(DVD付)また、乃木坂46の「今、話したい誰かがいる」がCD・配信の両方で売れた。乃木坂46は握手会等のイベント数やグループ人数を考慮した時の1人頭のCD売上枚数がAKB48を大幅に上回ることと、iTunes等の配信でAKB48よりも好成績を記録することから、今年はAKB48を上回る人気を獲得したと評されており、来年の活躍にも期待が集まりそうである。

 

簡単にではあるが、2015年の音楽シーンを振り返ってみた。こうやって振り返ってみると、2015年はドラマ主題歌、アニメ主題歌、CMソングなどと、様々な楽曲が話題を呼んだ1年だったと言える。また、昨年ヒットした楽曲の一部が、今年になっても売れ続け、シーンの一部を形成していたことも印象的だろう。

果たして、来年はどんな楽曲が生まれ、世の中を楽しませ、賑わせてくれるのだろうか。「音楽業界は終わった」などと言わず、前向きに2016年の音楽シーンを期待しよう。

 

もっと細かく振り返りたい方には、以下を1月から順に読まれることをお勧めします
「オリジナルiTunes週間トップソング」

 

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