オリコン週間チャート速報が先ほど発表され、倖田來未の勢いの衰えが如実に現れる結果が示された。シングルでは「BUT/愛証」が初動6.4万枚、アルバムではバラードベストとしてリリースされた「BEST~BOUNCE & LOVERS~」がなんと16.1万枚という不振となった。
・2位は、倖田來未の35thシングル「BUT/愛証」(初登場赤丸付、6.4万枚)。TOP10入りは23作連続通算25作目。
・2位は、倖田來未のバラードベスト『BEST~BOUNCE & LOVERS~(期間限定生産盤)』(初登場赤丸付、16.1万枚)。7作連続TOP10入り。
オリコンにとって普段これほど格好の煽り材料はない。
「倖田來未、シングル・アルバム同時トップ3入り!」と大々的に煽れるのだが、宇多田ヒカルの3週連続1位や、ミスチルの総売上5000万枚突破というより大きな話題にさらわれ、踏んだり蹴ったりという言葉がピッタリな結果となってしまった。
宇多田、倖田の今週の指数推移 | ||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
|
まずはシングル。
初動は何とか前作「Cherry girl/運命」の初動6.1万枚を上回って面目を保った格好だが、アルバム先行シングルをたった3000枚しか上回れないというのは、明らかな不調を疑わざるを得ない。さらに遡れば、まともに発売した(というと文句を言われるかもしれないが)「夢のうた/ふたりで…」の初動17.5万枚から10万枚以上も初動を落としてしまっている。昨年は12週連続リリースを土台として、5月の「恋のつぼみ」、7月の「4 hot wave」、そして10月の「夢のうた/ふたりで…」と確実に固定ファンを掴んできただけに、今回戦略の誤りがどこかにあったとしか考えられないだろう。
ちなみに今週は指数→週間がやや高めに出たようである。
ミスチル、倖田來未、中島美嘉の今週の指数推移 | ||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
|
その不調がシングルだけならまだしも、アルバムがさらに不調な結果となったのがいただけない。前作「Brack Cherry」(オリジナル)が初動50.2万枚だったために、今回その3分の1になってしまったことはやや寂しい結果と言えるだろう。
ところで、前年12月にオリジナルアルバム発売→3月バラードベストアルバム発売という流れはどこかで見たことがないだろうか。そう思って探してみると、2002年12月と2003年3月の浜崎あゆみの事例が出てくる。浜崎は02年12月の「RAINBOW」で初動101.6万枚、03年3月の「A BALLADS」が初動56.1万枚と、バラードベストのリリースで大体初動を半分に落としている。浜崎の場合、売れに売れたベスト盤と収録曲が被っていたにもかかわらず半減で済んでいる(それでも不調と当時は言われた)が、倖田來未は今作でオリジナルアルバムの3分の1に落としてしまい、浜崎の時との勢いの落差の違いは明白だ。
ちなみにアルバムの指数はシングルより低く出るということは、記事にしていなかったが蓄積データから導き出したものである。
倖田來未は何とかここから盛り返す以外に道はなくなったが、タイアップ漬け・特典漬け・複数枚リリースをするより、もう真っ当な勝負を挑む方向へと路線変更した方がいいのではないだろうか。このままではライト離れが加速する一方である。
BUT/愛証 (DVD付) | |
![]() | 倖田來未 Kumi Koda Tommy Henriksen エイベックス・マーケティング・コミュニケーションズ 2007-03-14 売り上げランキング : 42 おすすめ平均 ![]() ![]() ![]() ![]() Amazonで詳しく見る |
ミスチルの好調の裏で倖田と中島の数字の落ち込み振りが酷いですね。
どちらもシングルとアルバム同時発売、同じ曲が入ってるのは中島…ということからも、倖田のほうが不調と言えるわけですから、どんな角度から考えても倖田は危ないですね。
最近は歌手名だけじゃなく楽曲の質もシビアに評価されてる気がする。ベストというだけで売れる時代も終わった。
長い不景気で消費者が賢くなったのかも。
エイベックスも潮時だね。