2011年のオリコンシングルランキングでは、男性アーティストのトップにジャニーズから「嵐」が君臨した。嵐は2008年からずっと男性アーティストの頂点を守り続けており、売上面でもここ4年間は50~60万枚の非常に高い水準をキープしている。
果たして、2012年もその勢いに変わりはないのだろうか。本記事では、嵐のシングル市場における立ち位置について分析していく。
■ 嵐の売上は60万枚台で安定
2011年度の嵐は、シングルを2作リリースし、いずれも60万枚台前半を売り上げた。2011年のシングルの総売上は132.4万枚だった。
ちなみに、2010年は6枚のシングルをリリースし、そのうち3枚が65万枚を超えていたため、2011年はやや勢いが落ちたと言えるだろう。ただ、2008年からの4年間で見れば、その間にリリースされたシングルの多くが60万枚前後の売上であり、そのハイレベルな安定感は他の追随を許さない。
■ 嵐の地位を脅かす男性アーティストは存在せず
現在のCDシングル市場において、総合トップは女性アイドルグループのAKB48である。AKB48に次ぐ総合2位が嵐となる。
嵐は、男性アーティストの中でダントツのトップを維持しており、売上面で他のジャニーズの男性アーティストや、その他大勢を大きく引き離している。4年間もそんな状態が続いているため、嵐の地位は2012年もそう簡単には揺るがないのではないかと思われる。
(参考) 嵐の2011年度シングル売上一覧
62.6 嵐 Lotus
61.4 嵐 迷宮ラブソング
*3.7 嵐 果てない空
*0.9 嵐 Monster
*0.8 嵐 Dear Snow
*0.7 嵐 Lφve Rainbow
*0.4 嵐 To be free
*0.3 嵐 Troublemaker
*0.3 嵐 PIKA★★NCHI DOUBLE
*0.2 嵐 Beautiful days
*0.2 嵐 PIKA☆NCHI
*0.1 嵐 WISH
*0.1 嵐 とまどいながら
*0.1 嵐 アオゾラペダル
*0.1 嵐 きっと大丈夫
*0.09 嵐 Happiness
*0.08 嵐 Love so sweet
*0.07 嵐 サクラ咲ケ
*0.07 嵐 ハダシの未来/言葉より大切なもの
*0.04 嵐 We can make it!
*0.04 嵐 瞳の中のGalaxy | Hero
*0.03 嵐 truth/風の向こうへ
*0.03 嵐 Step and Go
*0.03 嵐 One Love
(単位: 万枚)
■ 配信が始まれば状况に変化か? フル配信はいつ解禁となるか
嵐をはじめとしたジャニーズの男性アーティストの楽曲は、iTunes Store等でフル配信されていない。楽曲を入手するには、CDを手に入れる必要がある。この状況が、嵐がシングルランキングで驚異的な強さを誇る理由の一つに挙げられている。
一説では、ジャニーズの男性アーティストの楽曲の配信が開始されれば、CDシングルランキングにおけるジャニーズ勢の上位占拠の状態が変わるとも言われている。ユーザの多くが配信サービスを使用するようになって、CD離れがさらに加速し「ジャニーズだけわざわざCDを買うのが面倒」という状况(参考: 音楽配信の波に乗ろうが乗るまいが、結果的にCD売上は下がるだろうという予想)になってしまえば、いずれはジャニーズ側も配信の波に乗らざるを得ないはずだ。
ただし、嵐を含むジャニーズについては、メディアでCDシングルランキングが頻繁に取り上げられる現状では、しばらく配信解禁とはならない可能性が大きい。また「配信を開始したらCDの売上が下がりそうなので、配信に踏み切らない」というわけではないと考えられる。その辺の詳しい話は、後日別の記事で分析したい。
(NEXT)
・“嵐” のフル配信はいつ始まるのか? ジャニーズが音楽配信に積極的ではない理由 (2/1公開)
関連記事
・2011年度のAKB48関連作の総売上は1161.0万枚!AKB48の売上枚数が2009年度の12倍に急成長
・2011年度のシングル総売上枚数は3964.4万枚…2010年度実績を約500万枚上回る
・音楽配信の波に乗ろうが乗るまいが、結果的にCD売上は下がるだろうという予想