現在のCDシングル市場で男性アーティストの中でトップの地位を誇るのが、ジャニーズの男性アーティスト・嵐である。
しかし、嵐などのジャニーズの男性アーティストの姿を上位で見かけるのはCDランキングだけで、配信ランキングで見かけることは少ない。そもそも配信自体をしていないケースもある。一体、何故ジャニーズは音楽配信に積極的ではないのだろうか。
■ よく言われる「配信を始めたらCDの売上が下がるから」というのは本当なのか
ジャニーズが配信を始めない理由としてよく言われるのが、「安価な配信を始めるとファンが配信に流れ、CDの売上が下がってしまうから」という説である。金額面で考えると、嵐の場合はDVD付きなどの単価の高いCDシングルを販売して60万枚以上の売れ行きを誇るため、配信を始めると利益が下がり、損となるのかもしれない。
ただ、以前の記事(音楽配信の波に乗ろうが乗るまいが、結果的にCD売上は下がるだろうという予想)で書いたように、配信を始めるタイミングを間違えると、結局CDの売上に跳ね返ってくる可能性が大きいと考えられる。今後この予想通りになるとすれば、ジャニーズが配信を始めない理由は他にもあるということになる。
■ オリコンランキングを取り上げるマスコミを意識しているからか
以前の記事(2012年もオリコンはAKB48陣営 vs ジャニーズ陣営…シングルランキング対戦相性を徹底分析)や、その他記事でも書いたように、ジャニーズは「オリコン1位」への強い執着を見せている。何故そこまでオリコン1位に拘る必要があるのだろうか。
その理由は、マスコミがオリコンランキングを積極的に取り上げ、シングル市場における人気のバロメーターとして扱っているためだろう。毎週火曜日の朝にかなりの時間を割いて取り上げられるのはオリコンランキングであり、そこでのジャニーズアーティストの地位を守り、世間にトップアーティストとしての印象を与え続けるために、オリコン1位に固執していると考えられる。
■ マスコミがオリコンよりも配信ランキングを取り上げるようになれば…
ここで注目するのが、「マスコミが取り上げるランキング」での地位を守るためにオリコン1位に固執しているのではないかという点である。つまり、マスコミが主として取り上げるランキングが変われば、ジャニーズの矛先もまた変わるのではないかという予想ができる。
つまり、CDの売上云々という話ではなく、マスコミがオリコンランキングを主に取り上げ、他のランキングをあまり重視していない現状があるため、ジャニーズはフル配信を始めないと考えることができる。
この予想の前提は、マスコミが「オリコン1位 = 今週の音楽売上1位」と考え、時間を割いて報道していることである。例えば「CDTV」はこの良い例である。この前提が変わって、例えばマスコミが「iTunes Storeの1位 = 今週の音楽売上1位」と考えて世間に定着させる動きが起きれば、ジャニーズもそれに合わせて動くのではないだろうか。
■ つまりジャニーズの配信開始判断はマスコミの動き次第か
「オリコン週間1位ピンチのSexy Zone、キスマイらも参加する握手会を緊急追加! Not yetもイベント追加で応戦!」「フレンチ・キスとのオリコン週間1位争いでピンチの山下智久、日曜日に緊急イベント開催決定!」といった過去の例で、ジャニーズのオリコン1位に対する執着は明らかである。
しかし、実は執着の対象はたまたまオリコンだっただけであり、「テレビに最も高頻度で映るランキング」で1位を維持できれば、CDでも配信でもなんでもいいというのが、ジャニーズの考え方ではないだろうか。この予想が事実であれば、ジャニーズ側の配信を始めるか否かの判断は、今後のマスコミの動き次第ということになりそうだ。
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