宇多田ヒカル「passion」から考えられる今後の宇多田の動向

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先の記事には多くのコメント、ご批判、ご感想を頂き大変感謝いたします。
http://www.tnsori.com/archives/50223739.html
書いて朝起きてみるともの凄い量のコメントが付いていて大変驚きました。一つ一つを丁寧に読み進めるうちに、あの記事を客観的に見つめなおすと、「曲を聴くなりとっさに書いてしまったという感じ」だなあと思え、本当に一時の感情で何も考えずに投稿してしまっていたと感じました。
不適切な表現も多数あり、お読みになられた多くの方が不快を抱かれたと思います。この場を借りてお詫びを申し上げます。

　しかしながら自分の中では、この「passion」はやはり売れないと思います。

　そしてそれ以前に宇多田ヒカルサイドが一体何を目指しているのかが掴みきれないのが現状です。
　音楽番組を多数見ている方ならご存知の通り、最近宇多田ヒカルのメディア出演は急増しています。その背景にはやはり直前に出されたシングル「Be My Last」の大不振があるのは否めない状況です。
　宇多田の久々のシングルに期待していた多くの人が、あの曲「Be My Last」を聴いてどのような反応を示したでしょうか。自分は、サビ以外は覚えにくくパッとしない、カラオケでは誰も歌ってくれそうにない曲だなあというのが第一印象でした。実際「歌笑」でも友近を始めとする芸能人がこの歌にトライしては、難しそうに歌っていたのが記憶に新しいところです。(元々のスキルは知りませんが)
　ファンはこの曲を買っているとしても、ライト層(音楽番組を見たりラジオを聴いたりして曲に心を動かされ、購入に至る購買層)は、この曲をどう評価したのでしょうか。答えは分からないし、明確に述べられはしませんが、そこに「Be My Last」の不振の答えがあるのではないでしょうか。

　宇多田ヒカル自身は、売上不振のさなかメディアへの出演を増やし続けました。前述のような「不振」という前知識を手にそれを眺めれば、明らかに焦ったレコード会社による宣伝増加→売り上げ還元が目的だと分かるはずです。
　そして問題はレコード会社が「真の売り上げ減の原因」を掴めているのかどうかという事。どうして「Be My Last」は売れなかったのか分かっているのかという事です。「Be My Last」をイマイチと感じた人が多かったからというのが直接売り上げ減に繋がっているからでしょうが、その人達は今回「passion」を試聴してみてどう感じたのでしょうか。前の作品は買うに値しないものだったけど、今回は買いだなと思った人、それとも今回も敬遠…という人、両方いると思いますがその比率はいかほどなのでしょうか。気になるところです。

　「音楽」
　その言葉のとおり音で楽しむという観点でこの「passion」を眺めれば、一風変わっているだけで決して悪いものではないと思います。以下のセリフを「ファンの言い訳の代名詞」と取る人もいるかもしれませんが、今や「歌詞が良いからこの歌は最高！！」「プロモと合わせて見れば最高！」という感じで、音楽はそれに伴う付加価値によって随分その見方が左右される時代になっていて、その評価は一概ではありません。
　オリコンチャート(特にシングル)の数値は、人々のその楽曲への評価ではなく、既にパッケージ全体への評価へと変わりつつあります。その中で生き残っていける、もしくは台頭してきたアーティストもいますし、上位から姿が消えつつあるアーティストもいます。宇多田ヒカルはこの流れの中で生き残ることが出来るのでしょうか。全ては次のシングルの売れ行きにかかっていると言えます。
　ただ、宇多田ヒカルサイドは商業主義に走っている割には同じような曲を出すなどし、「Be My Last」の曲があまりにも一般受けしそうにない曲だったから不振に陥ったと思っている自分には、宇多田サイドが現状を理解できているのか疑問なわけです。