ミリオン達成のKAT-TUN「Real Face」…その売り方を問う

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2006年上半期は、KAT-TUN「Real Face」がシングルとしては2年ぶりの年度内ミリオンセラーを達成。音楽史に新たな名を刻む事に。シングルチャートでは最近各作品の売り上げ枚数が非常に寂しいものとなっており、今回のKAT-TUNのミリオン達成は音楽界にとって実に明るい話題となったはずです。

しかし、それはあくまでも結果論。
冷たい言い方をするようですが、今回のKAT-TUN「Real Face」は各所でファン泣かせとも言われるほど、その売り方が問題視された。その手法については以下の記事を参照してください。
KAT-TUNのデビュー作、衝撃のリリース内容！
http://www.tnsori.com/archives/50399726.html

例えばKinKi Kidsを例にとります。彼らのシングルは2種類パッケージ同時発売、通常盤には初回盤には収録されない曲が収録されている、という感じ。これなら両方買っても2000円弱で済み、ブックレットなどついている事を考えればファンもまだ納得できるはず。しかしながらKAT-TUNの今作は、アルバムとDVDも同時発売と来た。さて発売当時に全部同時に買うといくらになるのか、計算してみると…

(1050×6) + 1200 + 3059 + 2610 = 13169円

完全限定BOXまで買うのならさらに出費が必要となる。

ここまで費やすお金が大きくなると、この発売形態を心から受け入れたファンが発売当時どれほどいたのか知りたくなります。それともこの言い方はおかしいのかもしれない。もっと違う言い方をすれば、「全部欲しいけど買えなかったファンはどれほどいたのか」という感じになるのでしょう。彼らのファンはたくさんいますが、皆が皆全部のパッケージを買うわけではないし、ジャケット違いで複数パッケージを作るのならば、写真集を一パッケージ作って同発すればファンが使うお金は半分以下で済んだはず。しかし、メーカー側があえてCD複数パッケージに踏み切ったわけは、やはり「ミリオンセラーに乗せたい」という思いと「利益主義」でしょう。

しかもこの時KAT-TUNはツアーに入る少し前。ファンはツアーでお金を使い、CD・DVDでも多額のお金を使うことになり、特に財力のない小中学生のファンにとっては、欲しいけれども手に入らないという点で精神的にも辛かったのではないでしょうか。収入がある程度あるファンでも、全種類買うのには戸惑いがあったかもしれません。結果的にミリオンに乗った今だからもうどうでもよくなったのかもしれないけれど、あの売り方は正直ファンからですら批判を受けても仕方がない物だったのではないでしょうか。

100万枚ぴったりの売り上げも、シングル1パッケージあたりに換算すれば、
100÷7 = 約14.3万枚
となる。次のシングルではどう出るのだろうかと考えてしまいます。
ファン心情を無視した売り方を続ければ、熱心なファンはついてきてもそれ以外のファンはCD発売の度に財布と真剣に向かい合う羽目になります。メーカー側はもう少しファンの気持ちを考えたリリース形態を取らなくてはならないでしょう。

現実初動は74.5万枚と爆発しましたが、次の週は9万枚程度の売り上げ。この売り方が影響しているのは間違いないでしょう。