2006年度オリコン年間シングルチャート、その顔ぶれを徹底考察!

LINEで送る
Pocket

2006年度オリコン年間シングルランキングの顔ぶれと売り上げ枚数が出揃った。(※)

この記事では、先発記事の2006年度オリコン年間シングルチャート、全結果速報!で取り上げたオリコン年間シングルランキングに対する考察を書き連ねていきます。


2006年度オリコン年間シングルチャート、全結果速報!で発表しているオリコン年間シングルランキングは、年間途中経過速報と同じく、オリコンでの正式発表に先駆けた速報性のある記事です。
その性質上1桁までの正確な数字は載せておりません。順位が分かる範囲までの数字を最高で小数第1位(載せている数字以下は切捨て)としました。

正式な数字は必ずオリコン本誌をご購入の上、ご確認下さるようお願い致します。

(オリコン年間集計期間: 2005/12/05付~2006/12/18付)

 

・年間首位を獲得したのは、KAT-TUN「Real Face」となった。年間の売り上げは103.8万枚となり、年内唯一のミリオンセラー。
KAT-TUNはこの他、「SIGNAL」が5位、「僕らの街で」が13位に入っており、まさに2006年はKAT-TUNの年だったと言える。

・また、KAT-TUNだけではない。トップ5には山下智久、修二と彰も入り、実に5分の4がジャニーズというすさまじい年間チャートとなった。今年は週間でも24週がジャニーズによる首位獲得となっており、ジャニーズの当たり年を強調する一年となった。

・ドラマからのヒットが、オリコン年間上位ランクインに繋がった。2位のレミオロメン「粉雪」と、47位のK「Only Human」はドラマ「1リットルの涙」からのランクイン。また、10位にはKaoru Amane「タイヨウのうた」が同名ドラマの主題歌でランクインした。
この3作品に共通することは、沢尻エリカが絡んでいることである。「沢尻効果」とでも呼んだ方が早いのかもしれない。

・2006年、最も知名度が高い曲になったのは8位に入った湘南乃風「純恋歌」で間違いないだろう。実質の年間1位はこの曲との呼び声もある。カラオケでも多く歌われ、沢山の人に親しまれ文句なしの大ヒットとなった。湘南乃風の来期の活躍には、大きな期待がかかることだろう。

・ゲームタイアップでは、9位にBUMP OF CHICKEN「supernova/カルマ」がランクインした。「カルマ」がPS2ゲーム「テイルズ オブ ジ アビス」の主題歌。アビス仕様のパッケージが発売された05年12月以降の粘りは本物だった。

・19位~22位に、首位記録を更新し続けるB’zとKinKi Kidsが面白いように固まっている。この中で気になるのはB’zの「SPLASH!」。4枚リリースでも、結局「衝動」と大差なかったという複雑な結果に。
B’z、4枚同発効果で前作を上回る好スタート! (6/7)

・23位に入ったBank Band「to U」は、上位から転落して以降の下位での粘りが凄かった。集計最終週まで200位内に残り、累積を伸ばし続けた。

・37位の「テルーの唄」は、映画「ゲド戦記」の主題歌。映画公開前から評判が高く、公開後にもトップ10前後で粘りを見せ売り上げをぐんと伸ばした。

・40位のORANGE RANGE「チャンピオーネ」は、これまでのレンジに比べると売り上げが激減したと言える。最新のアルバムも初動20万枚と不振で、来期の復活に期待だろう。

・42位の伊藤由奈「Precious」は、伊藤由奈名義での唯一のランクイン。これ以降のシングルは悲惨な成績に終わっており、レンジと同じく来期での復活を期待したい。

・48位のAqua Tmezは、アルバム「空いっぱいに奏でる祈り」がオリコン1位を獲得した勢いがそのままシングル売り上げにも繋がった。初めてのシングルがいきなり20万枚近くのヒットとなったことはかなり大きい。

・49位の絢香「三日月」は、34位の「I believe」に迫るヒットとなった。新人ながら、それに続くアルバムも大ヒットを収め、一発屋のレッテル貼りを回避した。07年度はどんな活躍を見せてくれるのかが楽しみな存在だ。

06年、シングル→アルバム型ブレイク
絢香
アンジェラ・アキ
(シングル「Kiss me Good-bye」はオリコン年間134位、6.8万枚)
ELLEGARDEN

06年、アルバム→シングル型ブレイク
Aqua Timez

・52位の浜崎あゆみは、その前の「Bold&Delicious」の初動が10万枚を割れるという状況から見事に復帰。今年は倖田來未に完全に売り上げ面で抜かれるなどマイナスイメージばかりが目立ったが、来期はどうなるのだろうか。

・58位のWaT「5センチ。」の発売前評判は、「タイトルがダサい」「所詮ジャニーズの真似事」という痛烈なもの。しかし、蓋を開けてみれば曲の評判の良さが一気に広まり累積は20万枚近いものに。主要カラオケ機種のランキングでも上位にランクされ、人気の高い楽曲となった。

・59位のSEAMO「マタアイマショウ」は2006年ナンバーワンロングヒットの名を送るにふさわしい楽曲。2005年がAI「Story」なら、06年は「マタイアマショウ」という感じ。初動は6226枚だったのに累積が17.4万枚。実に29倍にもなった。

・夏曲で勝負を挑んだケツメイシ。その「男女6人夏物語」は61位・累積16.7万枚とあまり良い結果とは言えなかった。

・62位のMonkey Majikも一発屋呼ばわりされた。ドラマ効果に加え、「SMAP×SMAP」などに出演し知名度を上げた「Around The World」は売れたものの次が続かなかった。来期で生き残りをかける。

・65位のELLEGARDENは、この曲ではデイリー初日でタッキー&翼「Ho!サマー」(69位)の売り上げを上回るサプライズを見せてくれた。初動も7.0万枚となり、もはやその人気は他のインディーズバンドの追随を許していない。

・70位のSunSet Swish「マイペース」は、アニメタイアップによるスタートから、Mステ出演に繋げて売り上げを伸ばした。SunSet Swishもこの曲だけのヒットとなり、一発屋と呼ばれた。

・76位の氷川きよし「一剣」は、今なおロングヒットを続けており時々デイリー50位以内に入ってくる。年末はレコード大賞の最有力候補(出○レースとの噂も)で、さらに売り上げを伸ばしそうだ。

・81位のキグルミ「たらこ・たらこ・たらこ」は、もう随分前からキューピーのCMでOAされていた楽曲。デイリーでいきなりの高順位を見せると、そのまま週間でも2位にランクイン。園児から小中学生まで、子供層への浸透度は抜群だった。

・82位の宇多田ヒカルはこの曲でauタイアップをもらい復活をかけるも、初動10万枚に届かず。91位の「Passion」は初動5万枚を割れた。宇多田の極端とも言えるこの売上不振が、東芝EMIの経営をも傾けたのかもしれない。
「東芝EMI」が消える?東芝が音楽事業から完全撤退へ…

・93位のコブクロ「君という名の翼」には、タイアップとなったドラマ「レガッタ」が放映途中で打ち切り発表されるなどのアクシデントもあった。そのためか、「桜」に比べると見劣りする結果に。しかし「桜」が売れすぎたという見方もある。
ベスト盤を機に見切りをつけられないよう、次のシングルで頑張って欲しいところ。

・アクシデントといえば、95位のジャンヌダルクには、発売週のデイリー金曜付で「涼宮ハルヒの憂鬱」EDに逆転されるというのも。

・97位のHYDEは週間で宇多田(82位)に勝利しながらも、順位の通り累積は宇多田に敗れた。

・今年の100位は04年以来の10万枚割れとなった。9.9万枚となったSEAMO「ルパン・ザ・ファイヤー」は、「マタアイマショウ」(59位)の勢いを確かに引き継いだ。
その後のアルバムはオリコン1位を獲得するなど、知名度は確実に上がっている。

(最終更新 25日13:05)

 

引き続き、2006年度オリコン年間シングルランキング、101位以下の考察です。
2006年度オリコン年間シングルランキング、101位以下の結果速報!


この記事をご覧の方には、以下の記事もおすすめです