今年も今日を入れて残り3日となり、いよいよ年末年始の各音楽番組の話題も本格的に出始めるころである。
年末年始にCD売上の大きな鍵を握っているのは、やはり「NHK紅白歌合戦」であり、この記事ではよく言われている「紅白効果」について考察していきたい。
・得体のしれない紅白効果、果たしてどのくらいの大きさになるのか
今年はオリコンでデイリー単位の売上指標となる指数が発表されるようなってから初めての紅白歌合戦ということで、いよいよ紅白効果の全貌が細かく明らかとなる。当サイトでも年明けの暫定順位コーナーではその模様をできる限りまとめる予定だ。
紅白効果を述べるにあたってまず比較したいのが、先日放送された「FNS歌謡祭」の売上促進効果の大きさである。FNS歌謡祭の効果では、まだ上位にいる作品ですら前日の指数から最大で2.4倍の伸びを見せた。特に、KOH+が約2倍増になってデイリートップ3に戻ったのは記憶に新しいところである。
さらにFNS歌謡祭の週の特徴的な推移としては、週末もいつにも増して各作品の伸びが大きかったことである。これは特にオリコンデイリーで下位(11位以下)にいた出演組に見られ、通常金曜付に比べて1.25~1.35倍の伸びになるところが、1.8倍~2倍という伸びになっていた。FNS歌謡祭のときは通常の平日であり、翌日に仕事がある人が多く、日を置いて週末にショップに出向いた人も多かったという解釈もできるだろう。
ところが紅白歌合戦の翌日は元旦であり、大多数の人がFNS歌謡祭の時と違って翌日仕事があるということがないため、多くの人が一斉にショップに出向く可能性がある。そのため紅白出演組の元旦付のオリコン指数は少なく見積もって2.5倍、最大で前日比4倍~5倍というとんでもない伸びになるという可能性もあるのだ。
ちなみに先日、同じNHKの音楽番組「NHK歌謡コンサート」への出演によって、すぎもとまさとは放映翌日に前日比1.2倍の伸び、さらに翌日はここからさらに前日比約1.5倍の伸びを見せた。このように二段構えで効果が発動してくる可能性もある。
(注:伸び率などの数字は全て当サイトの独自分析に基づく)
・参考:2006~2007年、紅白効果の具体例
紅白出場前から合算週にかけて、週間売上が次のように伸びている。ちなみに合算週は2週分であり、1週間→1週間の倍率ではないことに注意してほしい。
07年1月1日付(紅白前)→07年1月15日付(紅白後・合算週)の伸び
6.15倍:秋川雅史
4.24倍:SEAMO
3.64倍:TOKIO
2.86倍:絢香
2.30倍:大塚愛
1.95倍:SMAP
これによると、紅白出場前はほとんど無名だった秋川雅史は合算週で6倍以上の伸びを見せ、06年になって知名度を飛躍的に急上昇させたばかりのSEAMOも4倍以上の伸びとなっている。
また大塚愛やSMAPは秋川らに比べると伸びていないように見える。そこで、紅白に出場せず、07年度の合算週で首位を獲得したミスチル「しるし」、2位だったKAT-TUN「僕らの街で」の倍率を同様に計算すると…
1.46倍:Mr.Children
1.04倍:KAT-TUN
であり、誰が見ても紅白出場組との違いは明白である。特にKAT-TUNは大晦日に東京ドームでジャニーズのコンサートに出ているはずであり、紅白効果と比較するとその効果の差は歴然だ。
このように、近年視聴率低迷・人気の低下などと騒がれているにもかかわらず、紅白歌合戦に出場するということだけで、出場しないアーティストに対して売上推移で大きな差をつけることが可能なのだ。
今年はオリコンがデイリー単位で指数を発表するようになったため、大晦日から元旦にかけて売上がどのように伸びるかが細かく分かる。年明けはニュースやワイドショーでも耳にする「紅白効果」の正体が、今年はより鮮明になるはずだ。
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千の風になって | |
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こんばんは。
コブクロの『蕾』はレコ大と紅白効果が
如実に現れる気がします。
亡き母を想って書いた歌ということもあり
世代問わず訴えかけるものがありました。
ランキングが気になります!