オリコン「CD付チケット」「チケット付CD」の合算集計中止を発表 6/1付デイリーランキングから適用

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オリコン・リサーチ株式会社は3/16のプレスリリースにて、コンサート(ライブ)のチケットに付属するCDをランキングの売上枚数に合算していた従来の集計基準を変更し、合算を取りやめることを発表した。今年の6/1付デイリーランキングから適用される。

 

■ 「コンサートチケットの付属品」と清々しく一刀両断

 オリコン・リサーチ株式会社が16日に発表したプレスリリースは非常に簡潔なものとなった。その中で、ずっと前から多くのユーザが口を揃えて指摘を続けてきた「実態としてコンサートチケットの付属品となっている」という見解が、オリコン側の言葉として明確に断言されており、大きな支持が集まっている。

 オリコン・リサーチ株式会社が述べた「合算集計の終了」理由は2点だ。1つは、コンサートチケットとセット販売されるCDの価格が市販の通常盤CDの価格と大きく乖離してきたため「合算集計する合理性がなくなった」こと。もう1つが「実態としてコンサートチケットの付属品となっている」ことである。

(参考): 平成27年3月16日 コンサートチケットとCDのセット販売の合算集計の終了について (プレスリリース)

 

■ 主にEXILE一族・K-POP勢が手を染めたテクニック

 2013年のオリコン年間シングルランキングにおいて、EXILEの「EXILE PRIDE」がミリオンセラーを記録した理由は、6/1以降に集計が除外される「チケット付CD」の効果である。オリコンのデイリーランキングでは登場初日に50万枚を超える売上枚数を記録したが、この50万枚の多くは一般店で売れた数字ではなく、コンサートチケットに付属したCDの枚数であった。コンサートチケットを買うと付いてくるCDの売上枚数もオリコンの記録としてカウントさせるという、オリコンの集計ルールの隙間を狙った斬新なテクニックにより「EXILE PRIDE」はグループ史上最高の売上枚数を記録した。

 2014年にはEXILE TRIBEの「THE REVOLUTION」も同様のテクニックで売上枚数を伸ばし、大きな非難を浴びた。また、一部のK-POP系アーティストもこのテクニックで売上枚数を伸ばし始め、次々に記録として認められた。

 このような事例が多発すると「こんなテクニック・商法で売れたCDをヒットとして認めるのか?」という意見が出始める。非難の矛先が、記録として認めてしまったオリコンにも向かっていたことは、今更言うまでもない事実である。

 

■ 「握手券付きCDも除外だ!」オリコンの改革へ更なる期待

 「オリコン史上の記録は2000年代の後半から少しずつ汚されている」と指摘するユーザが、近年後を絶たない。「オリコンの記録はもはや音楽を買った記録ではなく、付属品を買ったことによる記録である」という指摘も相次ぐ。その元凶は、MUSIC CARDやチケット付きCDよりも遥かに前から存在する「握手券」である。

 近年、AKB48に代表される女性アイドルグループの大半が、CDと握手券をセットに販売する「握手券商法」(通称AKB商法)を実施し、売上枚数を伸ばしている。1人で数百枚とCDを購入するファンも存在し、握手券が抜き取られた不要なCDがCDプレイヤーに挿入されないまま捨てられる事実もある。このような事実があるにも関わらず、こうした商法で売れたCDがオリコンの記録として認められている事に対し、販売側だけではなく、オリコンへの批判の声も高まってきていることは事実であろう。

 このような声に対し、オリコンは真摯に応え始めている。昨年秋以降、オリコンはユーザの声を基に次々に改革を進め、今年に入り、僅か3ヶ月の間にMUSIC CARDとチケット付きCDの除外を決めた。この動きに対し「ならば次は握手券だろう」と強く声を上げるユーザは多い。さらなる改革ヘの期待が、大きく広がっている。

 

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