2007年度、オリコンチャート界にまつわる10大ニュース(私的雑感込み)

LINEで送る
Pocket

2007年も残り1週間と少しになり、いろんなところで今年の総まとめ的な企画が行われています。当サイトでも、「オリコンチャートにまつわる2007年度10大ニュース」と題して、今年起こった様々なチャートに関するトピックの中から10個事例を選び抜いてまとめてみました。
こうして見ると、2007年度も様々なサプライズがありました。



2007年度、オリコンチャートにまつわる10大ニュース

(「The Natsu Style」管理人セレクト)

10位…最低記録更新ラッシュ
10月29日付オリコン週間シングルチャートより。14位、20位前後、その他で最低売上記録の更新が相次ぎました。強力な新譜のリリースがないとすぐにこうした状況に陥ってしまうという現状、そして今年のCDシングル売上の伸び悩みを印象付ける出来事だったのではないでしょうか。
今週は最低売上記録更新ラッシュ…30位までに6箇所で最低記録更新


9位…GReeeeN「愛唄」のロングセラー
盗作疑惑も囁かれたGReeeeNの「愛唄」。この作品は5月28日付週間チャートで8位に初登場して以降ロングセラーとなり、累積は年間最終週までに22.1万枚まで達し、初動の1.3万枚から10倍以上の伸びを見せました。
また2ヶ月後には「愛唄」が収録されたアルバム「あっ、どうも、はじめまして」がシングル初動のちょうど10倍、初動13万枚を記録して初登場2位に登場。年間最終週までに46万枚を売り、新人としては今年度最高レベルの売上を誇りました。
しかしその次のシングル「人」は「愛唄」の勢いを全くと言っていいほど引き継げず、以前頻発した「一発屋」の再来とも騒がれたのはつい最近のこと。来年度、彼らは生き残っているのでしょうか。
GReeeeN、”2ヶ月で97位から8位”不可解なトップ10入りの要因とは?


8位…コブクロ、自身初のシングル首位獲得 & ベスト盤200万枚突破
4月9日付オリコン週間シングルチャートで、ドラマ「東京タワー」の主題歌だったコブクロ「蕾」が前週の2位からランクアップして週間首位を獲得。コブクロはベスト盤などアルバムでの首位獲得はありましたが、シングルではこれが初の首位。昨年からの勢いを引き継いだ格好となりました。
なおさらにコブクロはこの作品で自身のシングル最高売上を更新し、3月19日付で200万枚を突破したベスト盤とともにロングセラーとなりました。
コブクロ、2週目でついに待望のオリコン週間首位獲得!


7位…ジャニーズ関連作品が年間上位を占拠
今年度のオリコン年間シングルチャートでは、トップ20にジャニーズ作品が計9作の大量ランクイン。あわや占有率5割というところでした。
しかしジャニーズ作品にも、一昨年の「青春アミーゴ」や昨年の「Real face」「抱いてセニョリータ」のような爆発的に売れた作品が多くあったわけではなく、基本値以上に売れたのは嵐の「Love so sweet」くらいのもの。他のアーティストのCDシングル作品が売れなくなったのが、台頭の最大の要因ではないでしょうか。
2007年度オリコンシングル年間チャート、1位~100位まで全結果速報!


6位…声優作品のシングルトップ3入り相次ぐ、初動だけで6万枚越えも
今年4月に発売された、人気声優・水樹奈々のシングル「SECRET AMBITION」はアニメ「魔法少女リリカルなのはStrikerS」のOPテーマとして人気を博し、オリコン週間初登場2位を記録。初動も3.9万枚という近年の声優作品では見られない高さをマークしました。また水樹は8月の「MASSIVE WONDERS」でその初動をさらに上回る4.2万枚を記録するなど、絶好調の1年だったと言えるでしょう。
またそのわずか数週後、アニメ「らき☆すた」から主演声優の平野綾ら4人が歌ったOPテーマ「もってけ!セーラーふく」が同じく週間初登場2位を記録。こちらの初動はなんと6.6万枚となり、首位のV6とはわずか2500枚差でした。また「らき☆すた」からは8月にリミックス盤までもが週間3位に入り、その前後でネットラジオ関連の作品・キャラソン・企画盤などが次々にシングルトップ10入りを含めて上位進出を果たし、人気の高さを示しました。
「もってけ!セーラーふく」オリコン週間2位、V6と2000枚差に迫る大健闘!


5位…YUI、アルバムでENDLICHERI☆ENDLICHERIを下し2週連続首位
売上枚数的にはそれほど高くはないレベルの争いだったのですが、上半期のアルバムチャートで恐らく最も盛り上がったのはこの週ではないでしょうか。4月23日付オリコン週間アルバムチャートでは、立て続けのシングルヒットで勢いに乗り、前週に首位を獲得していたYUIの「CAN’T BUY MY LOVE」が2週連続首位を獲得。その内容が、これまでシングル・アルバムで立て続けに結果に対して疑惑を抱かれていたENDLICHERI☆ENDLICHERI(堂本剛…KinKi Kids)を下してのものだったため、「金星」(相撲で下位力士が横綱を下すこと)と評され、大いに盛り上がりました。
今だからこそ騒がれることはなくなりましたが、過去に指数が公開されていなかった時代には、ENDLICHERI☆ENDLICHERIはシングルで2度・アルバムで1度僅差での週間首位獲得があり、その度「疑惑の判定」と騒がれていました。指数が公開されて初めてのリリースで、日々発表される数字にチャートファンの注目が集まる中で、新鋭のYUIが指数合計で「僅差ではない差」をつけて上回って、文句なしの首位獲得となりました。
エンドリvsYUI、YUIが2万枚差でエンドリを下す大金星!


4位…宇多田ヒカルが大復活、初動27万枚、3週連続シングル首位獲得
3月12日付のオリコン週間シングルチャートで首位を獲得した、ドラマ「花より男子2」挿入歌だった宇多田ヒカルの「Flavor Of Life」の初動はなんと27.1万枚。宇多田は前のシングル「ぼくはくま」ではわずか初動4.0万枚に沈んでいたため、このシングルで実に7倍近くまで躍進する形になりました。
また宇多田はこの初登場のあとさらに2週間首位を獲得、合計で3週連続の首位となりました。ちなみに今年2週以上の連続首位を獲得したシングル作品は、宇多田以外にはゼロという結果に…。
宇多田ヒカル、3週連続首位で次週累積50万枚突破へ!


3位…紅白効果、「千の風になって」が一気に週間首位、年間も首位
1月22日付のオリコン週間シングルチャートでは、前年末にNHKの紅白歌合戦に出場して以降「紅白効果」で上昇が見られていた秋川雅史の「千の風になって」がついに週間首位を獲得。売上は2.9万枚で、首位としてはワースト3位の低枚数であったものの、その後のヒットへの足がかりを作りました。
「千の風になって」はその後も高いレベルでのロングセラーを続け、登場44週目となった8月20日付でついに売上100万枚を突破。今年度唯一のミリオンセラーシングルとなりました。しかし「千の風」は今年発売の作品ではなく、今年発売の作品だけで見ればミリオンセラーは0という結果でした。
秋川雅史「千の風になって」、登場44週目でついにミリオンセラー到達!


2位…オリコンがデイリー指数の公開を開始する
なんといってもチャート予想の要となった「指数」公開をなくして今年のチャートを語ることはできないでしょう。3月1日に前日付含む過去5日間のトップ3の指数が公開され、デイリー単位で作品の売上を把握することが可能となりました。
即日、当サイトではいち早く指数に関する解析を進め、指数の合計から売上数値へ変換するための補正係数(シングル・発表当時の解析値は1.74、後に1.75)を算出しました。それから9ヶ月の月日が流れた12月現在では、補正係数という言葉と売上の算出法はすっかりチャート予想家の間に定着し、指数予測を行う予想家も発表当時に比べ格段に増加しているものと思われます。
当サイトでは、ただデイリー発表の指数を追いかけるだけではなく、過去のデータから推移の予測を行ったりするなど活用の幅を広げています。トップ3の指数しか分からなくても、暫定順位コーナーで行っているように、下位の予測も十分に可能ということで、今年になって予想のあり方が大きく変わったのは間違いないでしょう。
デイリー指数により分析する、嵐・秋川・宇多田の売上は?








    そして今年度、個人的に最も衝撃的だったニュースは…









1位…ZARDボーカル・坂井泉水さん死去、関連作品は軒並み上昇…

今年の音楽界、そしてチャート界をも巻き込む最も衝撃的なニュースといえばこれを上げるしかないはずです。
5月、ZARDのボーカル・坂井泉水さんが入院先の病院で脳挫傷のため死去しました。不慮の事故での死に、多くのファン、そしてZARDの曲を愛した人の悲しみは絶えることはありませんでした。
死去の翌日から関連作品は軒並みチャートを急上昇。最新のベスト盤「Golden Best ~15th Anniversary~」はデイリー50位圏外から一気に6位まで上昇し、6月11日付週間アルバムチャートでは200位圏外から一気に3位となりました。悲しみの中、このベスト盤は翌週にはさらに売上を伸ばして週間2位まで上り、3週連続2位に。また今年度の年間アルバムチャートでは、売上44.3万枚で年間19位にランクイン(累積89.7万枚)し、ZARD、そして坂井泉水という存在がいかに多くの人に愛されてきたかが分かる結果となりました。
年度は変わり12月24日付シングルチャートでは、坂井泉水さんが生前書き残した最後の楽曲「グロリアス マインド」が5万枚以上を売り上げて週間2位にランクイン。活動を再開した2002年以降では最高の初動となりました。
ZARDベスト、突然の訃報後に売上急増…圏外から6位まで急上昇
坂井泉水さんの死を偲び…ZARDのベスト盤とDVDが共にデイリー3位に
ZARDアルバム、300位圏外から5作品が復活…最新ベストは週間3位に


多くの人の心の支えとなった「負けないで」、「スラムダンク」の主題歌としても知られる「マイ フレンド」など数々の名曲を残したZARD。今思い起こしても非常に大きな存在であり、その死を悔やむ人は今でも後を絶えません。私的にも、坂井さんの死は本当に残念でなりません。
年の瀬に、坂井泉水さんのご冥福を改めて心よりお祈り申し上げます。




以上、当サイトが選ぶ2007年度のオリコンチャート界10大ニュースをお届けしました。


Golden Best ~15th Anniversary~ (通常盤)
Golden Best ~15th Anniversary~ (通常盤)ZARD

ビーグラムレコーズ 2006-10-25
売り上げランキング : 1

おすすめ平均 star
starありがとう、そしてさようなら
starZARDの曲とともに過ごした青春時代
star早すぎる死。

Amazonで詳しく見る


この記事をご覧の方には、以下の記事もおすすめです

1 Response

  1. こなたMCU より:

    今年最後の佐橋佳幸さん、松たか子さんの(2007年12月28日にて)入籍したとテレビを見て 僕個人よりも多くの人たちが今年の音楽の話題の最高の嬉しいニュースと思います!
    ニュースキャスターみんな 佐橋佳幸さん人柄など[ギタリストとして 小田和正さんの他でもないあの名曲「ラブ・ストーリーは突然に」)の演奏に参加したことをアピールしていましたけど
    この話題は素敵です! 祝福と素直にいえます 感動した!